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日記

近代史が最も重要な学問かもしれない

近代史は歴史の授業でも薄く取り上げられる程度だが、近代史を知るにつれ近代史こそ重要で深く知るべき学問に感じる。

 

まず今を生きる人たちに最も影響を与えるものであり、それこそその時代を生きた人もいるものだ。たとえば習近平文化大革命の頃を生きた人であり、文化大革命を知ることは彼を知ることにつながってくる。

特に世代を年齢で見るのではなく、何を経験したかで見るのも大事だ。たとえば左翼が高齢化しているという話がある。それは全共闘時代や日本赤軍を生で見てきた世代、そして日中戦争に捕虜になり洗脳された日本兵が今も生きる世代と見ると、その世代だからこそ多いのだろうとも思えてくる。

 

そして今はその近代史から繋がる線の末端であり、流れとして近代史を捉えることで今を見ることができる。

特に海外に行くと日本の物差しで測ってしまいがちだが、10年前まで電車も走ってなかったようなところが今はスマホ片手に電車で通勤していると考えると中で生きる人たちの世界の捉え方も大きく違うんだろうなと思う。

 

特に最近重要そうだと感じるのが中国の近代史だ。

大躍進政策からの文化大革命で富裕層知識人が殺され建造物が壊され書物が燃やされ尽くしたのが約50年前。それが今の中国に繋がる道筋って歴史的に見ても稀有な事例に思う。

今の日本に未来はないよねっていうけど、ゲームで当時の中国と今の日本どちらから始めますか?って聞かれたら日本って答えるだろう。地理的ボーナスや人口ボーナスも加味すると自力は強いとはいえね。

 

一年前に「チャイナ・ウェイ――中国ビジネスリーダーの経営スタイル」を読んで中国企業の運営スタイルに感銘を受けたわけだが、それも多少近代史を知った今読み直すとまた新たな発見がありそうだ。

それも含めて今まで「点」で捉えてたものが、近代史を知ると線になる感覚がある。

 

それは専門であるエンジニアリングもそうだし、組織論もそうで、点で捉えるとその場その場のトレンドに振り回されることになるが線で捉えると流れとして追うことができる。

 

で、近代史を学ぶために何をすれば良いの?ってことだが、もちろん網羅的に歴史をとらえた本を読むのもそうだが、その時代の本を読むことが一番に感じる。

その時代の価値観で思考を重ねた結果の結論として捉えることで、より感覚的な理解につながるからだ。

なのであえて古い本を読み、本を読む際は書かれた時代背景を学び、その人の人生を脳内で追体験してから、読むのが良さそうだ。

 

ちなみに最近の欧米では今の価値観で過去作品を作り直すことが流行っているが、近代史は重要という観点から見るとものすごい愚行だなと感じる。