Dorails

日記

広木大地さんがすごい

Findyの主催する開発生産性カンファレンスの感想の2つ目だ。

まず前提としてこのカンファレンス全体として、示唆に富んでいて学びが多い良い会だった。

ただ最後の広木大地さんの発表が自分として桁違いに感じて、それまでの内容が薄れてしまったのはある。

 

まず思ったのが情報量が多いこと。

これは著書を読んだときも思ったが、それ単体で1章書けるような内容を1文で書くような圧縮度がある。

それを発表で聞くと、理解するまで待つということもできないので忙しなく脳が働かされた感覚だった。

 

で、これまで具体的な実践の話が講演でなされてきた中で、「デプロイ頻度を上げるのが目的化しても単に細かくなるだけで機能レベルで見たら変わってないとかあるよね」みたいな話は何度も見てきた。

そんな中で、それ全体を包み込むような抽象化をしてめちゃくちゃシンプルな問いに落とし込んだ。

 

さらにこうした抽象度の高い内容を話すとき、往々にして実務的な、具体的な内容が薄れてしまうことがある。

それが喋ってる内容での補足も含め、生きた経験とつながってくるものが多いと感じられた。

 

ということで発表中頭良すぎだろって思ったし、なんで自分はこの域に達せないんだろうとも思った。

頭の良いと感じる人

なんで自分はこの域に達せないんだろうって考えたときに、そもそもなぜ私は広木氏が頭が良いと感じたんだろうという疑問に行き着く。

頭の良さは数値的に測れないもので、結局のところ頭の良し悪しなんて自分が感じたことでしかすぎない。

 

そして自分より優秀だと感じる人はいくらでもいるが、ほとんどはまだ理解可能な範囲にいるように感じられる。

もちろん一生かけても追いつけないくらい差が開いているのかもしれないが、なんていうか「まぁ論理的に考えたらそうなるだろうな」って思える以上到達可能に感じられるのかもしれない。

 

ただ稀にそう感じられない人がいて、強く感じたのは東浩紀さんと広木大地さんだ。

何をするべきか

まず両者に共通する学術的基盤がしっかりしていること。

哲学的知識もそうだし、連続的に今を捉えるための歴史的知識もそう。

微分積分の定義はわかっても、微分積分で世界を捉える数学的感覚は一朝一夜で身につくものではない。

さらにはちゃんと現実世界のフィードバックを得ながら実践的にブラッシュアップしているからこそ頭でっかちでない重みがある。

仮に知識レベルが追いついたとしても、いちフリーランスエンジニアとして家にこもって機能開発しているだけでは到達できないものだろう。

 

こうした全てからくるぶ厚さが壁のように目の前につきつけられるからこそ、特に圧倒されるのかもしれない。

東浩紀さんに関しては専門外だからまだ到達不可能なことに納得感はあるが、広木さんは同じエンジニアなのでより自分と比較して敗北感を覚えやすいかもしれない。

 

まぁ比べる必要なくない?って話ではあるが、負けたくないって気持ちこそが向上心につながる側面もあるため、自分のペースで追いつけるよう努力していこう。